アイの日記 〜宇宙とつながる脳性麻痺のおばあちゃん〜

宇宙とつながるスピリチュアルなアイちゃんの日記です

石崎アイ 〜 生い立ち 7 〜

「愛を求めて死を選ぶ」

 

アイは心の迷いから半分やけくそで、何かお手伝いでもしてやれと思いました。

祖母は、庭のアンゴラウサギを飼っていたので、金網越しに1本の草をやると、ポリポリとおいしそうにウサギは耳を立てて喜んで食べたのです。

アイはだんだんウサギが可愛くなって餌をやらずにはいられなくなったのです。

うさぎに餌をやりたいために、思い切ってウサギの草取りをやることにしました。

車椅子に、コシゴと鎌をのせてでこぼこ道を歩くのは、アイにとって必死の思いでした。

そして草を取ってくると、祖母が喜んでくれるので、アイはますます頑張るようになりました。

いつも心に希望を持って自分を信じて満足しながら、夢に向かって大きくなれば、絶対に歩けるんだ、勉強して偉い人になるんだと思っていたのです。

アイは最初、近いところで間に合わせようと、何も構わずに草を取っていました。

「アイちゃんダニー!お手伝いできるようになっただかい?良かったにぃ!」

まわりの人たちはびっくりしてかわるがわる声をかけながら通り過ぎていきました。

父省吾は敬一に小遣いをやるから、アイと一緒にウサギの草取りをやるように言いました。

「敬一、遊んでばかりいねで、ねえやんちウサギの草取りでもしろ、いいか!」

敬一は学校から帰ってくると、遊びたいの我慢して仕方なくアイと一緒に車椅子をしながら、

田んぼや畑草狩りに行きました。

「これがうちの田んぼ?」

アイはびっくりすると敬一はそっけなく答えたのです。

「そうだよ、ねあんはどこで草を取っていたんだ、馬鹿だなあ。

あれはよその家のものだぞ、黙って取れば怒られるぞ!」

アイは困ってしまい悪いことをしたと思って夕食のとき、家族の人に聞いたのです。

すると、父親はアイの気持ちもわからないで笑いながら言いました。

 

「そんな少しぐれぇなこと、どうってことねさ、敬一がわかっているわな」しばらく続けた草取りだったけれど、敬一は飽きてきたらしく、どこかへ遊びへに行ってしまったのです。「俺小遣いなんていらねよねもらっておけ!」

アイはまた1人で草取りをやらなければならなくなりました。両親は子供たちを遊ばせる前に必ず仕事をやらせるという考えでした。敬一は、次の仕事に鶏を飼うことを父親から命令されてしまったのです。アイと敬一はいつも父親の様子を伺いながら育ってきました。毎年4月頃から10月までは、田んぼのあぜ道や、畑の土手に這い登って、雨が降っても風が吹いても草取りは続けました。冬の間は母親が桑の葉を取っておくので干し草と混ぜてお湯や水で湿らせて、ジャガイモと野菜のくずを細かく刻んで、ウサギの餌にしていました。冬になるとアイの手は、ひびやあかぎれでいつも血がにじんでいました。かわいいウサギの子供を増やし、ずっとの家を買って、売れたお金で下着下着や靴を買ってもらうつもりで一生懸命仕事をやりました。しかしお金は父親が、全部まとめてしまい専門もらうことができませんでした。父省吾の考えは、アイは家にいるので、どんなボロでも切れればいいということでした。アイは非常につまらなくなって生きているのがつらくて嫌になってしまったのです。お小遣いはもらえず、着るものも買ってもらえず、アイは悲しくて死にたくなりました。厳しさに負けてくじけそうになると祖母が言っていたあの言葉が、アイの耳の奥にくっきりと残されていて、いつも励まされていたのです。

 

タンポポのような根強い良さと辛抱強さだぞ」

 

アイは子供ながらにいつかきっといいことがある絶対にあると思っていました。祖母は、老齢年金4ヶ月で2000円足らずのお金でアイに下着や靴用靴を買ってくれました。貼って草取りをしているので、アイのズボンの接ぎだらけ、祖母は針仕事に大忙しでした。月日が経って、アイは12歳の春を迎えて、今年もウサギたちが、アイが一生懸命取ってくれる新しい草を待っているようでした。鎌とコシゴをつけて、車椅子を押しながら農道へ出ていくと、桜の花が満開でした。アイは田んぼでお花見ができるなんてとても嬉しいことだと思いました。夏になると両親は毎日休みなく蚕を飼って桑採りで大忙しです。それに父親はいろいろな家畜を飼っていて、蚕を飼うことは主に母親でした。金銭経済全て父省吾が賄っていたので、家族は誰も自由にならないのです。「まぁず、こんなに一生懸命苦労してやったって一戦にもならねだからな。つまらねもんだに」まつ江はぼやき続けていました。当時、社会行政が厳しい世の中だったので、生活先ずの生活の貧しい人たちが多かったのです。蚕が終わると両親は妹を連れて、村の人たちと1年に1回の秋の慰安旅行に行くのです。両親もいないし、誰にも見られないアイには良いチャンスだと思いました。祖母ミツは夕食を済ませ、アイと敬一に行かせたのです。「今夜はな、父ちゃんも母ちゃんもいねからな、いい子で寝ろよ」アイは寝たけれど夜中に目が覚めてしまいどうしても眠れなくて、暗闇を抜け出して父親がいつも使っているお農薬の場所をわかっていたので持ち出しました。生きているのがつらくて、もし死んで天国へ行ってゆっくり眠りたい、楽になりたいとそんなことを考えながらアイは思い切って毒薬を飲んで死ぬことを決めました。家から1kmぐらい離れた桑畑までアイは張っていき農薬を飲もうとしました。

 

けれど、アイの力では農薬の瓶のキャップが開けられなくて飲むことができませんでした。そのうちに眠くなって、アイは畑の中で眠ってしまいました。そしてまだ薄暗い夜明け頃に、どこからかアイを呼ぶ声が聞こえてきたのです。周りの騒がしさに目が覚めたアイは、自分が桑畑家で寝ていることに気がつきました。「ばあちゃん・・」思わず泣き出しました。近所のおじいさんおばあさんたちが心配して集まってきました。「おおいたいた、こんなところにいやしたはい、アイちゃん駄目だに」祖母は安心したように、アイを抱き、みんなに頭を下げ、よくお礼を言いました。「ありがとうごわした。申し訳ねだがこのことは、アイのために、うちの若えもんには黙っていてくれやせんかな」祖母はまつ江や省吾の耳に入るとアイが怒られてかわいそうな目に遭うということでみんなに口止めをしたのです。「わかっていますよ、みんなわかって癒すからな。おミツさんも大変ですやな」みんなは気の毒そうに去っていきました。そして祖母はアイが持っている農薬の瓶に気がついたのです。「こんなものをどうしたんだ、こんなものを飲んだら死んじまうぞ馬鹿め!」祖母は泣きながら怒ってアイの手から農薬をひったくってポケットに入れました。「馬鹿者、つまらないことを考えるじゃねわ、子供のくせに!アイが信じまったらな、誰も喜びやしねだぞ、喜ぶのはカラスぐれぇのもんだ!」アイは泣きながら祖母に背負われて家に帰ったのです。祖母は涙を拭きながら一生懸命アイに言い聞かせました。「いいか、人間は死ぬ気になったら何だってできる。死ぬ気で一生懸命生きろ。命を粗末にするものがあるか、いいか、バアヤンが死んでいなくなっても、お前はしっかり生きていかねばならないんだぞ、わかったな」アイはこのときから根性を入れ替えて自分自身の生き方を考えたのです。そしてアイが考えているうちに、弟敬一が教わっている小学校の水沢先生が家庭訪問に来て、アイを見て勉強特別に勉強を教えてくれると言ってくれたのです。周りの人たちや福祉事務所の方たちが心配して進めてくれる児童福祉施設に入ってみようかと思ったけれど、しばらくの間水沢先生に勉強をおそわろうと思いました。