アイの日記 〜宇宙とつながる脳性麻痺のおばあちゃん〜

宇宙とつながるスピリチュアルなアイちゃんの日記です

石崎アイ 〜 生い立ち 5 〜

「アイの夢の世界」

 

「ばあちゃん、昔話をしてくれる?」

「アイ、太陽姫みたいな子になるだよ」

アイは昔話に出てくる素晴らしいお姫様を演じて、夢を現実にしていました。

「だってさあ、太陽姫はばあちゃんと2人きりでしょう?(太陽姫と大蛇のお話)」

「アイもばあちゃんと?」

「アイはかあちゃんといるんだよ」

祖母は眠りから覚めたように笑い出し、昔話を始めるのでした。

「ああ、そうだとも。アイは強い子だ。お前は賢い子だ。本当にわがままな爺様だったなあ」

どっこいしょ、一息ついてから、善治郎を思い出すかのようにつぶやきながら起き上がって、祖母ミツはアイのおかげで、元気を取り戻したようでした。

「昔な、ある女の子のところにな。エラーい王子が現れてな・・・」

アイは祖母の語ってくれるいろいろな昔話が大好きで唯一の楽しみでした。

そして昭和29年9月にまた女の子が生まれて、アイに妹ができたのです。

「お前は姉ちゃんになったんだ、いいな、わがまま言うじゃねだぞ、わかったな!」

3人兄弟になったアイはわがままから我慢に変えられてしまったのです。

アイは祖母が聞かせてくれる昔話に出てくる物語の主人公肉の気分になったり、幼いアイは自分のために母親が真剣に祈っている姿に不思議と何かを感じ、子供ながらに知恵が回り、アイに笑顔が浮かぶようになりました。

かあちゃん、アイ、歩けるように拝むの?アイ歩けるようになるよね?」

まつ江も優しい心で目に涙しながらアイを抱きしめました。

そしてアイはますます元気になり、明るい子になって感謝を表せるようになったのです。

母親の愛情が、親子のスキンシップが、子供にとってはどれほど必要で大切か。

そして、昭和35年頃、福祉事務所からアイに車椅子が支給されてきました。

当時の車椅子は鉄のパイプでできていたので、音も大きく重さがありました。アイは最初、車椅子に乗せられると、とても怖くて体が硬直してしまいました。

弟の敬一はまだ6歳だったけれど、車椅子に興味を持ってしまったのです。

敬一は身体が小さいけれど、アイを車椅子に乗せて一生懸命押してくれました。

車椅子をもらったおかげで、敬一はアイを遊びに連れ出してくれることが多いので、家族の手は少しずつ離れてきたので、特に祖母は楽になりました。そして弟の敬一が学校へ上がるようになって、学校から帰ってくると、車椅子を持ってきて、「ねえやん、乗れ!俺を押してやるぞ、遊びに行けやぁ」そして、遊びに紛れて家に帰るのは、夕方真っ暗になることがしばしばでした。友達と別れて、恐る恐る家に帰ると、父親と母親が待ち受けていました。「これはいつまでどこで遊びに行ってるだ、馬鹿野郎めえ!なぜもっと早く帰ってこれねだ、飯なんかくれねからな!」父親に怒られて、敬一は目にいっぱい涙をためていたけれど、謝りませんでした。「さあこっちへ来い、楽じゃねわ。もっと暗くならないうち帰ってこうよ」祖母ミツは敬一を慰めるように抱き寄せてエプロンの袖で涙をふいてやりました。「ばあやんがそうやって甘やかすからいけねだわい」まつ江はアイを車椅子から抱き下ろしながら、祖母ミツに怒りつけたのです。「うんにゃ、さあ、子供はなおこれシラミがたかるぞう」ミツは子供はあまり怒るとビクビクする癖がついてしまうというのです。アイと敬一はどれだけ祖母のおかげで心の安らぎを持ってたことが知りません。アイも車椅子にだんだん慣れて怖くなくなりました。弟の敬一はとても優しい気持ちの優しい性格で、学校から帰ると必ずアイを車椅子に乗せて遊びに連れていく優しい男の子です。
「ねえやん、車いすに乗れ!遊びに連れて行くぞ、早く乗れ!」アイはいつも通り敬一に遊びに連れ出してもらったけれど、その日にはアイと車いすを置き去りにしてどこかへ遊びに行ってしまったのです。1人ぼっちにされて、アイは困ると、場所が少し坂だったのか、車椅子が勝手に動き出してしまいました。「怖い助けて!嫌だ敬一敬一!」車椅子はアイを乗せたまま、田んぼの土手にぶつかって止まりました相葉車椅子から転げ落ちたけれど、幸い怪我はなかったけれどとても怖い思いをしてしまいました。その後、アイはとにかく立たなければと思い、祈る思いで車いすに乗ろうとしました。けれど、足の力がなくて何回やっても立てませんでした。こんなとき誰か助けに来てくれたらと、アイは本当に困ってしまういました。でもどうしても立たなければと思い、汗をかきながら一生懸命頑張ったのです繰り返し繰り返しやっているうち、どうにか立てるようになったのです。立てたアイはもう嬉しくて思わず泣き出してしまいました。アイは車椅子から落ちたおかげで立てるようになったのです。そして、一生懸命汗をかいてとても疲れたアイは自分で車いすに乗ったのです。しばらく経ってケージが来て、あれ誰か来たのか、さあ家帰ろう。家に帰ったアイはその出来事を祖母に話したけれど信じてもらえませんでした。次の日からアイは自分のことを信じてもらいたいと一生懸命立つ練習をしました。それからは毎日立っては転び、立っては転びしばらく6ヶ月ぐらい続けたとき体中アザだらけになっていたけれども、 アイは捕まらないで一歩一歩歩けるようになったのです。その時、母と祖母の目には喜びの涙が光っていました。今までのアイの状態を考えると茶碗とスプーンを持っても後ろへ転がってしまい、頭から顔からご飯粒だらけになってしまう1人では食事ができませんでした。そんな状態のアイが、まさか歩けるようになるとは誰も予測していませんでした。これは奇跡としか言いようがありません。アイは車いすを押して歩けるようになったので嬉しくて、ガラガラガラガラ音を立てて周りの人たちに喜ばれるままに、近所中、遊び歩くようになっていました。そして、 アイの人生は、アイ自身で変えていったのです。